講師紹介
木越 康(きごしやすし)
1963年生まれ。大谷大学真宗学科卒業。大谷大学院博士後期課程満期退学(真宗学専攻)。私学研修福祉会国内研究員。大谷大学短期大学部助手。大谷大学短期大学部専任講師。大谷大学短期大学部助教授 現在に至る。
主な著書(共書)に、『キリシタンが見た真宗』(東本願寺出版部)
【講師からのメッセージ】
今からおよそ2500年前、インドに韋提希という王妃が住んでいました。息子アジャセ王子、夫ビンバサラ王と、ブッダの教えを信奉しながら仲良く暮らしていました。ところがある日、息子アジャセは、家族間のある秘密を友人に告げられ、怒りのあまり父王を殺害し、母である韋提希をもその手にかけようとしました。家臣たちに制止され、殺母だけは思い留まるアジャセは、母韋提希を王舎城宮中に幽閉してしまいます。
一命を取りとめた韋提希は、尊敬するブッダに助けを求めます。ところが現れたブッダに、号泣しながら次のように詰め寄ります。「いったいわたしの何が悪くてこんな悪子を産んだの。そもそもブッダ、これは貴方のせいでもあるのですよ」と。
『仏説観無量寿経』は、そんな韋提希に、また、そのような地獄の中に生きるすべての人びとに、「清浄なる世界(浄土)」を説き示そうとした経典です。怒りや腹立ちに満ちあふれた地獄のようなこの世界は、いたるところで人びとの愁い歎きの声が響いています。そのような世界に対してブッダは、清浄なる世界、浄土の道を説こうとされるのです。そんな『仏説観無量寿経』を、みなさんと一緒に学んで参りましょう。