講師紹介
武田 定光
1954年東京生まれ。大谷大学大学院博士課程修了。真宗大谷派因速寺住職。真宗大谷派東京教区教学館主幹。元親鸞仏教センター嘱託研究員。NHK文化センター町田教室講師。お寺で毎月「御命日の集い」「ブッディサロン」など、様々な問題を抱える現代社会において精力的に法座を開く。主な著書に『新しい親鸞』『歎異抄の深淵(師訓篇)』『歎異抄の深淵(異議篇)』『逆説の親鸞』(雲母書房)など多数。
[受講者へのメッセージ]
3月11日の「東日本大震災」は私たちに重篤な衝撃を与え続けている。九死に一生を得て生き残った人びとのこころの中に、「なぜ自分だけ生き残ってしまったのか」という罪悪感が巣くってしまう。大地の激震、さらに追い打ちをかける津波の破壊力が、人間の精神に与えた傷はあまりに深い。思い起こせば1995年1月17日の阪神淡路大震災の後、同年3月20日に起きたオウム真理教事件の連鎖には、見えざる因果関係があったように思える。カタストロフィーを受けた人間のこころは、混乱し空虚感で満たされ、「終末論」を説く宗教のターゲットになる。我々にいま問われていることは、「何を拠り所としてきたのか?」ということだろう。いわば「南無」の質が問われている。親鸞のことばを通して、ゼロから考えていきたい。
(武田 定光)