広報紙『サンガ』
TOP > 広報紙『サンガ』 > バックナンバー > 社会を見る眼
バックナンバー
社会を見る眼
 医療から問われる人間
  第68回 <2004年3月>

ロゴイメージ 西欧の科学的医療とそれに代わる代替医療を統合する医療がいま注目されている。更にそれを超えて、身体と心と生命の面から人間全体を治療するホリスティック医学を目指す集まりに参加する機会があった。O先生が二十年余り歩んでこられたこの医療の新しいクリニック開設の講演とパーティーである。

 その会は、広く医療関係者だけでなく、癌から一命を取り止めた人、患者やご家族などで大盛会であった。その方たちの熱い謝念と、新しい医療に対する大きな期待が、会場に満ちみちていた。私たちは、日進月歩する西欧医学から大変な恩恵を受けている。だが、その反面どこかに何かしらの疑問と不安を隠しきれないのである。即効性に優れる化学療法の副作用が、本来身体に具わる自然な自己回復力をなくしてしまうのでないかという不安である。その不安を超えるには、最後は病気に立ち向かう本人と家族の心の坐りに帰着すると、体験者は同じように語ってくれた。

 医療だけでなく、すべて西欧化されている現代は、逆戻りはできない。そのなかにあって不安にしているのは何かを、生活全体を通して真剣に問い直す期がきている。

 それは、自分の生老病死が、いま医療という問題として切実に問われているのである。老病死する自分の身体と心と生命の全体をあげて任せるに足る道(教えと人)をみんな求めているということである。その道に出遇わぬ限り、死ぬことも生きることもできない。

(邦)


戻る

Copyright(c) 2004−2007 HigashiHonganji ShinsyuKaikan All right reserved
(このホームページの記事・画像の無断転載を禁じます)