
二十一世紀に入って三年目の年が明けた。世界はいよいよ混迷し地獄の様相を呈してきた。
北朝鮮は、アメリカの対話提案を拒否し、核拡散防止条約脱退を急に宣言した。更にイラクとも一触即発の危機にある超大国アメリカには、常に正義という戦争がつきまとっている。
また一方では、クローン人間が誕生したと報じられている。それはまだ本当ではないらしいが、ウソでも大ニュースになるのが現代なのである。戦争でいのちを殺し続けて、クローンでいのちを作ろうとしている。それが果たして人間のいのちなのか……。
「われらの大迷は如来を知らざるにあり。如来を知れば始めてわれらに分限あることを知る」(清沢満之)
如来を信知できない人間は、必ず、有限に固執してつまらん無能なものだという劣等感に陥る。そうでなければ、無限に固執してなんでもできるものだという優越感で傲慢になる。劣等感も優越感もそれは、つもりという思いなのだ。人間は、有限にしてしかも無限を信知することができる存在である。
人間はどれだけ知恵が秀れていても、己の分限がわからない。それが近代的人間知の病である。いま、人間にとって最も大切なことは、如来(無限・無量)を知って、人間存在の分限を知る本当の智慧を獲得することではないのか。人間は、つまらんものでもないし、限りなく偉いものでもないのだ。
(邦)