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 シベリア墓参
狐野秀存 (大谷専修学院指導主事) サンガ第75号 <2005年5月>

イメージ 昨年夏、シベリア墓参に参加した。

 1945年の敗戦によって、約60万人の日本兵が旧ソ連に抑留され、そして6万人の人たちが故国に帰ることなくシベリアの土となったといわれる。戦後日本の痛恨の歴史である。

 わずか12人の小さな墓参団だったが、8ヵ所をていねいにお参りできた。深く印象に残ったのは、各地の日本人墓地をお守りしてくださっているロシアの村人たちのこころねだった。

 ノヴォ・アレクサンドロフカ村の農場長は父親から遺言で、「この人たちはどんなにふるさとへ帰りたかったことか。お前はしっかり墓を守るように」と言われたという。戦後59年目に、はじめて私どもがお参りできた。

 新潟空港からハバロフスクまで飛行機でわずか2時間の距離だ。しかし抑留者には永遠の距離だった。

 墓前でお経をあげたあと、みんなで小学校唱歌「故郷」をうたった。「兎追いしかの山、小鮒釣りしかの川、……」胸がつかえて最後まで歌えなかった。

 最終日、ホール村をおとずれた。177基の墓石のうち、12基が朝鮮の人たちのお墓だという。ふるさとに帰ることなく日本兵として亡くなっていった人たちを思い、戦後はまだまだ終わっていないと実感した。


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