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 はかま満緒さんに聞く
 こころの縁側なくしていませんか
写真イメージ
 日曜日の昼下がり、コーヒーを飲みながらふと耳を傾けると、ラジオのFMから軽妙な会話が聞こえてくる。はかまさんがマスターを務める「日曜喫茶室」は今年で30年を迎えた。

各界で活躍するよりすぐりのゲストは2000人をとうに越えた。

「シャボン玉ホリデー」をやっていた頃、自宅のリビングで「はかまお笑い塾」を開いていた。

萩本欽一や車だん吉、脚本家の市川森一ら多くの芸人、脚本家を世に送り出した。

ユーモアは人間愛、ユーモアこそ人生の良薬だとはかまさんは言う。


 話のテーマを幹とすれば、話の花は枝に咲くとはかまさんは言う。ゆったりした時間の中で、話がはずんで枝が出て、話の枝から思わぬ花が咲く。

 「日曜喫茶室というのは縁側で日向ぼっこしながらおしゃべりするスタイルなんです。縁側というのは大変便利なところで、通りがかりの人がちょいと座って世間話をする情報交換の場なんですね。変な勧誘とか振り込み詐欺とか、うちにもそんな電話がきましたよと、お互いの情報を交換できるわけですね。

 今は部屋を大きくしようとしてみんなアルミサッシで冷暖房完備にしちゃうでしょう。無駄をはぶいたつもりだろうけれども、大切なものをなくしちゃっていますね。縁側というのは無駄のようにみえるけれども、あんな利用価値のあるところはないんです。お月さまがきれいだったらお月見もできるし、雨が降ったら子どもの遊び場ですね。洗濯物も干せるし、植木鉢を置けば花も咲く。今はどうも心のゆとりがなくなってきているように思います」

 はかまさんはテレビのバラエティー番組の先駆者である。「シャボン玉ホリデー」などで多くの芸人を世に出した。30分の番組を3日かけて制作したという。「笑わせる」ということに心血をそそいだ。今のバラエティーは「笑われる」だけ。昔の番組と質が違うという。

 「ユーモアというのはラテン語で体液という意味なんです。だから意識的に作られるものではなく、人間が醸し出す個性であり人間味なんですね。日本ではジョークとウィットと一緒にされていますが、ジョークやウィットはユーモアの精神から生まれてくるものなんです。ジョークはその場で起こった出来事をおもしろく表現してまわりを和やかにする。会議で冗談を言うと、冗談言ってる場合じゃないだろうと怒られますが、冗談も言えない会議なんかいいアイディアなんて出ませんよ。ウィットというのは日本語でいうと洒落ですね。言葉を工夫するということが洒落なんです。太ったおばさんを見て『おばさんデブですね』と言ったら怒りますよ。でも、『奥さんここ狭いし通れますか』と言えば『そうなのよ、太っちゃってね』となります。

 大江健三郎さんがノーベル文学賞をとったのは、ユーモア溢れる作品であるというのが第一の受賞理由です。文学でもユーモアがないとノーベル賞までいかない。だからユーモアというのは、単なる笑いだけではなく、人間がおもしろいということですね。人間愛です。人間は間違いもするし失敗もする。だからおもしろいんですね。そういう見方がユーモアの精神なんですね」

 俳優の石原裕次郎さんとは無二の親友だった。スーパースターの素顔は周囲に気を配る豊かな常識人だったという。太陽をあびるたびに、はかまさんは裕次郎さんとの日々が蘇ってくる。


ラジオ番組紹介
−NHK・FM『日曜喫茶室』−

はかま満緒さんが30年以上マスターを務めるラジオ番組『日曜喫茶室』好評放送中!
はかまさんとゲストの方々との軽快なトークをお楽しみください。

放送局 NHK・FM
放送時間  毎週日曜日
12:15〜14:00


はかま・みつお
1937年、東京に生まれる。慶応義塾大学を中退後、東京放送に入社。3年後、独立して放送作家となる。「シャボン玉ホリデー」等、テレビやラジオのコメディー、バラエティーの作・構成を担当する。30年続いているNHK・FM放送「日曜喫茶室」では番組開始以来マスターを務める。72年、芸術祭賞、01年、放送文化基金賞を受賞。著書に『裕次郎讃歌』『人生万能薬』『人生うまくいく人のちょっとした気づかい』等多数。


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