広報紙『サンガ』
TOP > 広報紙『サンガ』 > バックナンバー > 仏事一口メモ
バックナンバー
仏事一口メモ
 ご本尊とは(3)
  第33回 <1998年5月>

 今回からお話しする「お脇掛(わきがけ)」とは、ご本尊(ほんぞん)・阿弥陀如来(あみだにょらい)(お内仏(ないぶつ)の正面中央)の両脇にお掛けする掛け軸のことをいいます。

 お脇掛には次の二種類があります。

  1. 名号を記したものと、
  2. 親鸞聖人・蓮如上人のお姿を描いたものです。

2.は後に譲るとして、まず1.の名号を記したものからお話ししたいと思います。
 名号には、「南無阿弥陀仏」の六字名号(本欄第31回参照)の他に、十字名号・九字名号があります。十字名号とは「帰命尽十方無碍光如来(きみょうじんじっぽうむげこうにょらい)」(漢字十字からなるため十字名号という)、九字名号とは「南無不可思議光如来(なむふかしぎこうにょらい)」(漢字九字からなるため九字名号という)のことです。

 それぞれの名号を対比してみますと、次のような関係があります。

  1. 六字名号=南無阿弥陀仏=お釈迦さまの教え
  2. 十字名号=帰命尽十方無碍光如来=天親菩薩(てんじんぼさつ)の教え
  3. 九字名号=南無不可思議光如来=曇鸞大師(どんらんだいし)の教え

 南無阿弥陀仏は古代インドの言葉(サンスクリット語)を音写したもので、南無を帰依(きえ)、阿弥陀仏を無量寿(むりょうじゅ)・無量光(むりょうこう)と訳されています。量り知れない寿(いのち)と光に帰依する、寿と光を我が生命(いのち)とするという意味になりましょう。
 帰命尽十方無碍光如来は、天親菩薩が南無阿弥陀仏に帰依したこころを語った言葉ですし、一方の南無不可思議光如来は、曇鸞大師が南無阿弥陀仏に帰依したこころを語った言葉です。天親菩薩も曇鸞大師もともに、南無阿弥陀仏の教えによってご本尊の意味を明確にされた言葉であったのです。

 私たちは、お内仏にお掛けする九字・十字名号を「お脇掛」と称していますが、その意味をたずねてみますと、南無阿弥陀仏のこころを語った「ご本尊」であるということが知らされます。九字・十字の名号は、南無阿弥陀仏のこころを別の視点から私たちに示していることになるのです。

 次回にも、九字・十字名号の意味について、考えてみたいと思います。


戻る

Copyright(c) 2004−2007 HigashiHonganji ShinsyuKaikan All right reserved
(このホームページの記事・画像の無断転載を禁じます)