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仏事一口メモ
 法名(ほうみょう)について
  第4回 <1993年7月>

お内仏にお参りして、気づかれたでしょうか。お内仏の側面に「法名(ほうみょう)釈(しゃく)○○」と書かれた軸(法名軸(ほうみょうじく))が掛かっています。念のために申しますと、他の宗旨では位牌(いはい)を用いるようですが、浄土真宗では位牌を使わず、法名軸をお掛けします。

 今回は、この軸に書かれた法名について、お話ししたいと思います。

 私たちは誰しも、俗名(戸籍上の名)を持っています。いうまでもなく、俗名は、お母さんのおなかから産まれたときに付けられた名前です。

 これに対し法名は、法の名字という意味で、仏(=ご本尊の阿弥陀如来)・法(=その教え、つまり南無阿弥陀仏と称(とな)えること)・僧(=教えに依(よ)り歩みを1つにする仲間、サンガのこと)の三宝(さんぽう)に帰依(きえ)し、仏道生活に入ったものがいただく名前であります。

 浄土真宗の法名(戒名(かいみょう)とはいいません)は、親鸞聖人が自ら「釈親鸞」と名のられて以来、男性は「釈○○」、女性は「釈尼○○」と必ず「釈」の字を用います。

 この「釈」の字は、お釈迦さまの「釈」の字で、この字を冠することにより仏弟子として生きることを示します。つまり、この名のりは、仏の教えを生活の依り所として生きてまいりますという誓いを表すことを意味します。

 俗名は、老若・男女・貧富・職業等の差別の中で煩い悩みつつ生きる私の名前といえましょう。しかし法名は、全ての人が差別なく等しく、諸々の衆生(しゅじょう)とともに救われることを願って仏の世界に生きようとする者の名前なのです。

 一般的に法名は、死んだ人の名前だと理解されているようですが、本来、そうではないのです。生前中にいただいておくべき名前なのです。

 今日は、この「釈○○」を名のる方のご法事です。あなたに、仏の平等な世界を聞き開いてほしい、そして、生まれた意義と生きる喜びに目覚めてほしいとの仏の願いと、その仏と同じ願いに生きた「釈○○」の願いに真摯に耳を傾け、合掌礼拝する日なのです。

 さて、読経の時間が近づいてきました。読経中には、焼香の順番が回ってきます。次回は、この焼香の仕方についてお話ししたいと思います。


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