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3分間法話
 おうち
ちばすすむ
千葉進
57回 <2002年5月>
 

すずめすずめ
きょうもまた
くらいよみちを
ただひとり
はやしのおくの
たけやぶの
さみしいおうちへ
かえるのか

─すずめ─ 佐々木信綱 原作


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 さらにつぎの歌詞がつづく。

2、
いいえみなさん
あそこには
とおさんかあさん
まっている
たのしいたのしい
おうちです
さよならみなさん
ちゅんちゅんちゅん

 かなり古くから歌われていた「童謡?」らしい。90になる母が子どもたちにわかるように歌詞をアレンジしたもので、メロディは滝廉太郎のものだ。私の幼稚園で最近歌われるようになった。

 幼児期は人生の始まりのほんのひとときだが、大事な時期だ。この頃に養われる情緒や感性の中に「精神の土台」なるものを築くことが重要だ。わらべうたはその意味で大切なものだが、最近あまり歌われなくなった。しかし、「すずめ」のうたにはいのちの温もりがある。

 1番の「おうち」からは、豊かさと利便を求めて得た今日の時代状況が写しだされてくる。豊かさの中の不安、便利さの中の孤独、家庭崩壊、学級崩壊、社会人の「居場所」の無さなどだ。幼稚園の父母たちには思い当たるらしく、かなり納得いくようだ。

 2番は、物質的には豊かではないかもしれないが、父母に象徴される温もりのある「おうち」がうたわれてくる。子は母の愛につつまれて、父の励ましによって立ち上がれる。「そこ」に帰ると安らぎを得、ふたたび歩む勇気をいただく。

 そういう家庭や社会を築くことはもちろんだ。それをさらに「いのちのふるさと」というか、もっと深くに人間にとって慈愛(じあい)と智願(ちがん)に満ちた「大地」(よりどころ)を持つことが大切であることをおしえている。

 子どもたちは2番になると急に声高に歌いだす。

(江戸川区・専福寺住職)


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