ご本尊とお脇掛け(御影の場合)
御影のお脇掛けの場合は、向かって右側に親鸞聖人の御影を、左側に蓮如上人の御影をお掛けします。
お脇掛けには、前の二回でお話ししました十字名号(帰命尽十方無碍光如来)と九字名号(南無不可思議光如来)のほかに、親鸞聖人と蓮如上人のお姿を描いたもの(御影(ごえい)といいます)があります。
御影の場合は、ご本尊に向かって右側に親鸞聖人、左側に蓮如上人をお掛けします。当派寺院の本堂には、向かって右側に親鸞聖人、左側には多くの場合、蓮如上人の御影が掛けられています。つまり、「お内仏」(仏壇)は寺院と同じ形式になるわけです。
親鸞聖人(1173─1262)は、浄土真宗の宗祖(しゅうそ)に当たる方で、九十年の生涯をかけて念仏(南無阿弥陀仏)の教えを明らかにしてくださいました。後世の人は浄土真宗を開いてくださったということで「ご開山(かいさん)」とも呼んでいます。
蓮如上人(1415─1499)は、本願寺の八代目の方で、親鸞聖人が明らかにされました念仏(南無阿弥陀仏)の教えを八十五年の生涯をかけて多くの民衆に伝えてくださいました。
親鸞聖人と、蓮如上人、生きた時代はそれぞれ異なりますが、お二人に共通することは、生きた真の本尊(口に称(とな)える=南無阿弥陀仏)を深く領解され、多くの人々に伝えられたということでしょう。しかもその教えは、現代にまで至り届いているのでした。それが「お内仏」という形になって表されているのです。
ところで、「お内仏」の正面にお掛けする阿弥陀如来とその両脇の親鸞聖人・蓮如上人との関係は、南無阿弥陀仏を教え示す阿弥陀如来と、その教えを身をもって証(あか)しされた方ということになります。
ですから、親鸞聖人・蓮如上人の御影に手を合わすのは、単なる人物崇拝ではありません。お二方が遺(のこ)してくださり、私にまで伝えられた本当の生きたご本尊の南無阿弥陀仏に手を合わすことなのです。「お内仏」正面の三幅は、生きたご本尊の姿(救済の真実)を私たちに示しているのです。
そして、南無阿弥陀仏のこころを教え示してくださった親鸞聖人・蓮如上人に、自らの人生を学んでほしいという願いが込められていることも忘れてはなりません。