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仏事一口メモ
 通夜について
  第14回 <1995年3月>

 いよいよ通夜勤行(つやごんぎょう)(通夜のお勤め)の時間が迫ってきました。今回は、通夜についてお話しします。
 通夜とは、遺族をはじめ縁のある者が夜を通して、葬儀までの間、亡き人を偲び、静かにご遺体を見守るというのが本旨です。ですから、お勤めの間だけを通夜というのではありません。身近な人の死という現実を謙虚に受け止め、口ごろ忘れがちな「生死(しょうじ)」の問題について、深く考える一夜にしていただきたいと思います。

 故人は人生の最後に、身をもって教えてくださっています。それは、「人はみな死ぬ」という事実です。つまり、この私も、必ず死を迎えなければならない生を送っているということです。

 そしてそれは、「死と隣り合わせで生きているあなたは、これからどのように生きるのですか」という、亡き人からの問いかけでもありましょう。

 故人とは生前中、ケンカもし共に笑いもし、いろいろなことがあったことと思います。さまざまな思い出がよみがえってくることでしょう。しかし、それらすべてが、何かを教えていることではなかったでしょうか。夜を通して、お互いに話し合えれば、通夜の本旨に適(かな)うことでありましょう。

 さて、お勤めの時間が近づきました。お勤めは、仏さまの教えに出あう大切な縁になるものです。お勤めや住職のお話(法話)をとおして、生きていることの尊さを仏さまの教えにたずねていただきたいと思います。

 それでは、喪主、近親者、遠縁の順に席につきましょう。弔問者の座る順番は、事情のある場合を除いて、前から順次座っていただくとよいでしょう。お勤めは、住職と共に『正信偈』を一緒に唱和します。合掌は、住職に合わせて行ってください。このとき、数珠を忘れないようにします。(数珠については、第2号を参照)

 最後に、通夜の服装についてですが、最近では礼服で弔問に来られる方が多くなりました。遺族の方も礼服(喪服)を着用されていたほうが失礼にならないと思います。


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