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仏事一口メモ
 葬儀について
  第7回 <1994年1月>

 これまで6回にわたり、初めて法事に招かれたときの心得や作法についてご紹介してきました。
 今回からは、葬儀についてお話ししたいと思います。

 「生あるものは必ず死ぬ」とは聞いていても、自分のこととは思わず、日々の生活を送っているのが私たちではないでしょうか。

 が、もし今、ここにかけがえのない人を亡くすとき、私たちはつらく悲しい思いにかられます。そして、心の中をさまざまな思いが駆け抜けていくことでしょう。

 しかし、亡き人を目の前にしながらも、静かに死を見つめる間もなく葬儀の準備をしなければなりません。

 葬儀は、亡き人との最後のお別れの儀式であると同時に、人の「死」という重い事実を受けとめ、これまでお育ていただいたことに感謝の念を持ってお礼を申し上げる場です。

 そして、一番大切なことは、個人が人生の最後に身をもって教えてくださった「生あるものは必ず死ぬ」という問いかけをあらたに確認し、生まれたことの意義を自分自身のこととして受け止めていくことです。

 臨終から通夜・葬儀をとおして、人は必ず死ぬからこそ今ある生を確かなものとして生きなさいという、私にかけられた亡き人の願いを訪ねるのです。その願いに目覚めさせてくださる仏の智慧(ちえ)を私たちはいただくのです。そこには静かに、仏さまに合掌礼拝する姿があります。

 ですから、葬儀を厳粛に丁重にお勤めするということは、決して斎壇(さいだん)(壇飾り)の豪華さでもなければ、僧侶の人数でもありません。大切なことは、葬儀をとおして真実の教え(仏教)に出会うことなのです。

 そういう大切な意味を憶念しつつ葬儀はすすめられるべきものですが、ちいきによってさまざまな習慣があったり、他宗の作法が交じっていたりして何をどう進めていけばいいのかという戸惑いが先にたってしまわれることでしょう。

 そこで次回からは、浄土真宗の基本的な葬儀の心得や作法等についてお話しします。そのことをとおして、葬儀のこころを確認していただきたいと思います。


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